最高級品はハンドメイド

　「熱燻」でできる簡単燻製の次は、「温燻」の簡単燻製を試しましょう。「熱燻」は加熱調理の手段の一つとして紹介しました。「温燻」は加熱調理を目的から外します。つまり、口に入れる前にどこかで一回加熱処理が行われることを前提とした燻製です。ですから、この燻製目的は、もっぱら、燻煙にあります。燻製で最も多くの製品がこの方法で作られます。ハム、ベーコン、ソーセージがこれです。これは、全行程２００時間程必要ですからここでは触れません。ハウトゥー本を参考にしてください。要するに、これらの王道的燻製はお手軽燻製ではないということす。

　「味付け」と「風乾」を省略できる食材は、なんといっても、「豆腐」です。チーズと卵も有名ですから、「燻製豆腐」「スモークチーズ」「スモークエッグ」を作りましょう。全部同じやり方ですから、混ぜてやっちゃも構いません。

　器具は前回の中華鍋とフライパンでは無理です。高温の煙に当てては失敗です。特に、チーズは溶け落ちてしまいます。煙の温度が下がるように、食材とチップの距離を十分開ける必要があります。一斗缶二つあれば丁度いいと思ってください。一つでも可能ですが吊るし燻煙はできません。市販のスモーカーはダブル一斗缶スモーカーより高温になります。また、上方には適度な穴や隙間が必要です。その穴から漏れ出る煙で様子を推察します。目的は、温度上昇を抑えるためと、煙が食材の周りに絡みつきながら流れていくようにするためと排熱です。コンロ等の熱源の上に金属皿等プレートを用意して、そこへチップを入れて煙を発生させます。薄くて広い空き缶で構いません。食材は吊るせるものであれば上方に工夫してフック等で吊るします。チーズのように吊るせないものは、なるべく上の方に網を固定して燻します。

　燻す時間は一握りのチップが終わる程度です、２０分から３０分ほどです。やり過ぎると酸味が出ます。マズイです。チップの燃焼が終わったら、隙間を密閉して、１，２時間そのまま煙の中で放置するのは、いい方法です。ここで、豆腐と卵を紹介しましたが、これらは、「無味」ということが魅力的食材だからです。卵は、ハムなどのように味付けをしても美味しいです。！念のために。卵はゆで卵で、皮は剥いておきますよ。