最高級品はハンドメイド

　「縫い」はあらかじめ縫い穴をあけます。小さな平行四辺形の穴と針で開けただけの穴があり、縫い方で選びます。美しく縫うためには「縫い」の間隔を選んで、揃える必要があります。そのための道具が必要ですが、カービングのように、沢山の工具を揃える必要はありません。

　クローム鞣し革は一般に、ヌメより高価です。この鞣し革は種類が豊富で、各種価格がまるで違います。また、カービングがない分、道具は少なくて済みます。これも特徴です。出来上がりは上手にできれば、洗練された作品となり、手作り感に欠けます。しかし、最高級の革で気に入った物を既製品より安価にを作ることができることが、魅力の一つです。ファッション性を楽しむという面では、女性向きのレザークラフトでしょうか。つまり、ヌメ革とクローム鞣し革それぞれ作品に求める価値が違っていて、その表現技術が違うのです。ヌメ革は表面を加工することに価値を置くことができます。画家のように、アーティストとしての表現力を求めます。例えば、絵画のように壁に飾るというのもあるでしょう。クローム鞣し革は、縫って組み立てるなどの造形に価値を求めるられます。作品には服飾デザイナーや、工芸デザイナーとしての表現力を求める手芸です。

　クローム鞣し革は、値段に開きがあることを申しました。材料となる動物の種類、加工方法が多岐に渡るからです。牛に限っても、柔らかさ、手触りなど随分違いがあります。蛇革、ワニ革等爬虫類もあります。オーストリッチもありますね。これらの革は塗装による色でなく、革の天然模様を楽しみます。ヌメ革は部位による価格が違うだけで、製造業者による目だった違いはありませんから、通販が便利です。全ての部位ごとのヌメ革が同じ価格ということではありませんが、購入するときの案内説明を参考に選択しても、大ききく予測と違ったものとはなりません。対して、クローム鞣し革も通販で購入できますが、印刷やディスプレイなどのパンフだけでは、殆ど特徴を知ることができません。しかも、物は高価です。