最高級品はハンドメイド
趣味の範囲を超えて没頭した数々のハンドメイド作品。そのジャンルも幅広いものに・・・やはり、どんなに高級なモノよりも愛着の湧く所謂『手作り』作品たち。『妥協する位なら作らない』という信念の元、どれも製品としての役目をしっかりと果たしております。その自慢も兼ねたハンドメイドのオススメブログです。
- 2025.06.10 [PR]
- 2014.06.06 男子たるもの編み物せいっ!!
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先輩が、私が編んだセーターを欲しがるので、根負けし、あげたことがあります。白の極太ウール。総アラン模様のクルーネックセーターです。
アラン模様は、徹底的に妥協なし。渾身の模様で、経験者ならわかると思いますが3段おきの三つ編み状縄編みを斜めに上らせ、なおかつ、菱形で別の組と交差する模様がどれほど手間のかかることか。とくに、縄を斜めに進ませるには、毎段縄編休め棒に取って、ズラさねばならないので大変です。また、縄以外の地は裏目でなく、総掛目にしたので、メリアス目それ自体が、メッシュの中を斜めに規則正しく進みます。
多分、市販製では存在しないでしょう。手間の割には、少し高価なセーターぐらいにしか思いませんから。しかし、一度でも編んだ経験がある人が見れば、目玉が飛び出るほど驚くはずです。そして、決して工業ラインの手では不可能な、そのセーターの作者に尊敬の念を抱くはずです。もちろん、私自身が、そんなレアな価値に優越感を得たいから作ったのですが。
で、私は、男子です。オネエでもありません。初めてセーターを編み上げたのは、10歳でした。大阪万博の年でした。作るのが好きで。ジャンルは何でも。ということで、物作り、特にハンドメイドの楽しみをしばらく語ってみたいと思います。このような内容であれば、好きなことを書き表すのですから、これ自体が私の楽しみになります。
ニット。編み物は、日本では、殆ど女性の楽しみのようです。ヨーロッパでは、船乗り、特に遠洋貨物船の乗組員が航海中、キャビンでやっていたそうです。想像できる姿はシブいですよ。安物の葉だけれど、手垢とヤニで赤黒く光るパイプを苦い顔でくわえて、時々、編み棒から手を休めるために、底の広いグラスを握り、グイっとラム酒を口腔に含める。この酒も安物でないといけない。ただし、糸は、寄港先の港町で入手できる最高級ピュアのヒツジかラクダ。長い航海でも耐えるように、脱脂を施さないオイルヤーン。これで編み上げられたセーターは最高なはずです。複雑なアランは無用でしょう。無地ストレート総メリアス若しくは総ゴム網のクルーネックセーター。飽きないし、着用年齢を問いません。
ところで、私が一番恐ろしいプレゼントはこの手編みのセーター。幸い貰ったことがないのでよかったですが。異性からの贈り物がハンドメイドは、ちと困る。とくに、セーターは、身に付けるものだから、それ自体ですでに困る。二重困り。置物や、食器などインテリア的なものであれば、ありがたいけれど、恋しいその人と会うときにそれを身に着けていないことの方が理由が必要となって本当に困るはずです。ハンドメイドでなくてもネクタイがその一例です。